私なりのウェットワークス
~有限会社 Y・Y・S 代表 安川佳宏~
始めようと思ったのは、雨の日に自宅の玄関先で濡れたタイルで滑って転んだ事がきっかけですね。
結構危ない転び方したんですよ。
それでふと思い立って、インターネットで滑って転ぶ原因や問題をいろいろ調べ始めたんです。
転倒による死亡事故は年間6000件以上。
調べると転倒事故の多さにびっくりしましてね。
ビルのエントランス、ホテルのロビー、病院や公共施設の階段や廊下、地下街や地下鉄出入り口付近、夏のプールサイド等、現場の数を上げればきりがありません。
転倒の死亡事故は年間で6000件以上、スリップが原因と言われるものは3000件以上。
毎年、この件数はあまり変わっていないんです。ずっと…
“歩行”という誰もが毎日何の意識もせずに行っている動作が、ひとつの要因が重なるだけ(水などの液体散布)で歩行困難な危険な場所になってしまうんです。
他の死亡事故原因などの改善は年々されて減少傾向にありますが、スリップによる死亡事故はなくならないんです。
減るどころか、増え続ける転倒事故。
ユニバーサルデザイン・バリアフリーが身近な言葉として使われ始めて10年以上経ちますが、店舗などの商業施設での転倒・滑りのトラブルは減るどころか、年々増加傾向にあります。
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ファミリーマートで買い物中の女性が転倒して左腕を縫うけがをした。
判決 :
判決理由:
原告(転倒者)勝訴
ファミリーマートは安全確保のため、水ぶきの後からぶきするなど、客が転ばないよう店舗経営者らを通じて指導する義務があったとして、慰謝料などの支払いを命じた。
(大阪高裁2001年7月31日)
●ビル内での転倒事故に損害賠償2,200万円の支払い命令
JR池袋駅ビル7F通路で主婦が転倒。左足を骨折し、左股関節機能麻痺の後遺症が残った。
判決 :
判決理由:
原告(転倒者)勝訴
低コストを業者に強要するあまり清掃も十分でなく、また床に油や水が付着して滑りやすくなっていたことが原因である。
(東京地裁2001年11月27日)
●裁判所内での転倒事故に105万円の支払い命令
判決 :
判決理由:
原告(転倒者)勝訴
点字ブロックや滑り止めがあれば転倒することはなかった。公共性の高い建物には利用頻度にかかわらず安全確保の設備を設けるべきであり、こうした整備は努力目標ではなく、法的な義務であるとして、裁判所自らの瑕疵を認定し、裁判所を管理する国に対して 105万円の支払いを命じた。
(大阪地裁2004年12月22日)
そこで、国土交通省がバリアフリー新法「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」を改訂して、床の滑りについて抵抗係数(C.S.R)などの推奨値や配慮事項を設ける等、転倒・滑りに対する注意喚起と原因改善は益々厳しくなっていくと思われます。
国土交通省登録の新技術“ソグナップ”
いくつかある防滑改修事業の中で、パートナーとして「ソグナップ」を選んだ理由は?
防滑で調べてみると色んな会社があるんです。
私がパートナーを選ぶとき、一番大切にしたい事は“安全性”と“信用度”です。
ソグナップは施工事例などの実績も多く、国土交通省の新技術情報提供システムにも登録されています。
また、第三者機関で分析する徹底した品質管理・安全管理を行っている企業の姿勢も信頼がおけました。
施工されるお客様に安心してご依頼いただける事と施工後の体感の二つを大切にしていきたいので、業者や製品に対する不安材料がぬぐう事の出来る会社をパートナーに選びました。
床材によっても変わりますが、最長で3年のメンテナンスが付いているのも選んだ理由の一つになります。
少しでも長期間安心を感じて頂きたいという計らいは嬉しいですよね。
完全に消費者目線で私自身がソグナップのファンになってしまったのが一番大きいかもしれませんね(笑)
気付かれないサービスこそ真のサービス。
最後に一言お願いいたします。
私はこれまで30年以上「防水」をメインとした改修工事を行ってきました。
30年前、始めた頃は防水工事が珍しく、防水工具や材料自体も国内にあまりなかったような時代です。
当時、老朽化した家の水回りの水漏れや外壁からの雨水侵入などで多くの方が困っていましたので施工後は大変喜ばれました。
建築の技術革新と新しい建築資材の導入によって仕事は新築物件の防水工事へと変わっていき、「喜ばれる仕事」から「見えない安心を守る仕事」へと変わっていきました。
新築の仕事を始めてから自分の仕事がお客様が無意識に安心して暮らしていけるための「気付かれないサービス」を行う仕事なんだと初めて気が付きました。
また、お客様に評価されずとも、事故が起きなければ起きないほど自己評価の高まる仕事である事も知りました。
「少しでも、長く快適に過ごしてもらいたい。シーリングを極めたい」という思いから、防水に関するあらゆる知識を学び、2011年には優秀施工者国土交通大臣顕彰にて建設マスターの称号まで頂きました。

防水ジャーナル 2012年3月号
現代は目に見える事、目で分かる事にばかり評価されがちですが、人々が日々の安定した生活を送る事の出来る気付かれない「環境整備」が大きな事故や重大な問題を回避している事に注目すべきだと思います。
起こる事を想定していないところから起こる事が事故なんです。
「起きないだろう、大丈夫だろう。」と楽観視、軽視し、見て見ぬふりをした手抜きが招いた事故は、事故ではなく、過失事件だと思っています。
煌びやかな内装と世界最高峰の収容人数で世界中の注目を集めたタイタニック号は、外観の美しさを損ねるという理由と、沈没は「起こらないであろう」という楽観的な考えから収容人数分の救命ボートをあらかじめ格納していない欠陥船でした。
その事実を知らず世界中の人々が、遊覧を楽しむため、この色鮮やかに飾られた欠陥船に乗り込んだのです。
結果、タイタニック号は沈没し、救命ボートの不足問題も表沙汰になり「豪華客船」という評価は「史上最悪の欠陥船」という評価に180度変わってしまいました。
優先順位を間違えると、全てが狂ってしまいます。
自分に嘘をついてはいけない。
嘘をつけば、そこからほころんでいき、全てが晒されて信用を失うのです。
私自身も今まで以上に嘘をつかず、物事を軽視せずに、決して足元をすくわれないように努めてまいりたいと思います。
本日は有難うございました。